HSP人生どん底30才独身女が子犬を迎えてみた結果。。

HSP、鬱病、引きこもりの人生に突然真っ白な子犬が現れたら。

真冬のコインランドリーにて

最近家の洗濯機が壊れた。

 

ごく普通の7キロ洗濯機で、なんの変哲もない。

 

私の家族は昔から忙しかった。

毎日自分たちのことで忙しい、B型家族。

 

会話を交わしているようで、実は自分のことを口々に独り言のように話していて、

それが偶然重なった時が会話になる、みたいな家族だった。

 

多趣味で寡黙な父はいつでもギターを弾いていて、私が中学くらいには仕事で海外と行き来するようになり家にはほとんどいなかった。

 

母はベテラン看護師。あまり家庭的ではないが気が向いたときにはパンを焼いたり、イタリアンを作ってくれたりした。

 

妹は読書が好きで頭もよく、それでいて天然で世間知らずなところがあった。

 

弟は家では無口で何を考えているかわからない感じだったが、年が離れていて可愛かった。

 

いつもいつも自分たちの世界で、自分のことで忙しかった。

 

そんな家族の洗濯物を十数年毎日洗い続けた洗濯機が、

先日、突然動かなくなった。

 

そんなわけで、新しいドラム式を購入したわけだが、到着までの数日間コインランドリー通いをしている。

 

もう今は実家には母と私だけ。

 

田舎のスーパーの横にある寂れたコインランドリー。

 

切れかけた蛍光灯。

 

東京に暮らしていた頃を思い出す。

 

ボロボロの1Kに初めての一人暮らし。家に洗濯機がなく、近くの銭湯の横にあるコインランドリーに三日に一回通っていた。

 

あの時のコインランドリーも確か蛍光灯がいつも切れていたな。

 

バイトが終わって深夜に洗濯をする時間が実は少し好きだった。

 

乾燥機が終わるまでの時間に、一つ作品を作るのが日課だった。

 

よく月もみた。東京の空は星は見えない。たまに朧月が見えて、それも好きだった。

 

 

いつか夢を叶えて、家族に楽をさせるんだ。とか、旅行に連れていくんだ。

とか、夜空を見上げてよく思っていた。

 

そんな未来は結局こなかったけど。

 

 

===。

 

ピーーーーー。

 

乾燥機が終わる。

 

田舎の厳しい冬の寒さに、窓には水滴がついている。

 

自分が過去に夢見ていて、できなかったことに向き合うと少し憂鬱になる。

 

こんなはずじゃなかった未来、現実。

 

期待しすぎてたかな。

 

 

寒さに心の準備をしてからドアを開ける。

 

田舎の冬の夜空は、今まで見たどんな空よりも星が見える。

 

星の瞬きの瞬間まで見える。 星が泣いてるようにも見える。 嬉し泣きしているようにも見える。

 

そんな風に眺めている一瞬だけは、自分の過去も未来も年齢も現実も持ち物も、全部なくなったように思える。

 

心に夜風がスーッと吹いて、違う次元を旅する。

 

 

明日は今日の続きのようで、本当は違うのかもしれない。

本当は、  本当は。

 

寝て起きたら、全く違う日なのかもしれない。

 

昨日の私なんていないのかもしれない。

 

 

ーーー

 

明日、最新のドラム式も洗濯機が届く。

 

乾燥機もついてる。

 

いろんな機能がついてて、きっと気取った奴だろう。

 

いろんな新しい物たちに、新しい未来に、順応していく。

 

 

こんな真冬にコインランドリーに通う機会が与えられ、

 

 

ゆっくり星空を見れた。

 

 

すごく寒かったけど、悪くはなかった。

 

 

 

 

 

おやすみなさい。